高齢者の寝返り不足と睡眠の質|マットレスの工夫

もう悩まない!快眠のためのマットレスガイド
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「最近、親が夜中に何度も起きてしまうみたい…」「寝起きの体が痛いって言うんだけど、どうしたらいいかな?」そんな心配をされている方もいるのではないでしょうか?

高齢になると、若い頃に比べて睡眠の質が変化していくものです。
特に、「寝返り」の回数が減ってしまうことで、体の痛みや不調につながることがあると言われています。

この記事では、なぜ高齢者の寝返りが減るのか、その原因や影響について詳しく解説します。

また、寝返りをサポートするマットレス選びのポイントや、シニア向けマットレスと介護マットレスの違いについてもご紹介しますので、大切なご家族の快眠のために、ぜひ参考にしてください。

高齢者の寝返りが減る原因と影響

高齢者の睡眠は、加齢とともに変化していきます。
特に、寝返りの回数が減ってしまうことで、さまざまな体の不調につながることがあるみたいなんです。

ここでは、なぜ高齢者の寝返りが減るのか、そしてその影響について、詳しく解説します。

加齢による筋力や柔軟性の低下

高齢になると、加齢によって全身の筋力や柔軟性が少しずつ低下していくと言われています。
特に、体を大きく動かす寝返りには、ある程度の筋力が必要です。

寝返りを打つための力が弱くなってしまうと、回数が自然と減ってしまい、一晩中同じ姿勢で寝てしまうことが多くなります。

また、関節の柔軟性が失われると、寝返りという体の動き自体が難しくなり、寝返りを打つのに苦労してしまうこともあるようです。

体の痛みや不調

高齢になると、腰痛や関節痛、肩こりなど、体のどこかに痛みや不調を抱えている方が増えます。
こうした体の痛みがあると、寝返りを打つたびに痛みを感じてしまい、無意識のうちに寝返りを避けてしまうことがあります。

寝返りを我慢することで、さらに同じ姿勢で寝る時間が長くなり、痛みが悪化するという悪循環に陥ってしまうことも。

痛みを和らげるために、体に合ったマットレスを選ぶことが大切だと思います。

寝返り不足が引き起こす問題

寝返りが不足すると、いくつかの問題が起こる可能性があります。

まず、長時間同じ姿勢でいると、マットレスと接している部分に体重がかかり続け、血行が悪くなります。

血行不良は、体のしびれや冷えを引き起こす原因になるだけでなく、床ずれ(褥瘡)のリスクも高めてしまうと言われています。

特に、自力で寝返りを打つのが難しい方の場合は、床ずれ予防のためにも、寝具選びが非常に重要になってきます。

寝返り不足が睡眠に与える悪影響

寝返りが不足すると、睡眠の質も低下する可能性があります。

寝返りは、体温調節や姿勢の調整に欠かせない動きです。
寝返りが減ることで、熱や湿気がマットレス内にこもりやすくなり、寝苦しさを感じてしまうことがあります。

また、同じ姿勢で寝ていると、寝返りによる体のストレッチ効果も得られず、体が十分にリラックスできません。

その結果、眠りが浅くなり、夜中に何度も目が覚めてしまう「中途覚醒」の原因になることもあるでしょう。

寝返りの回数だけで判断しない

高齢者の寝返りは、若い頃と比べて回数が減るのが自然なことです。
そのため、単に回数が少ないからといって、必ずしも問題があるとは限りません。

大切なのは、寝返りの「質」です。
もし回数が少なくても、朝起きたときに体の痛みやだるさがなく、ぐっすり眠れたと感じているなら、それは質の良い寝返りができている証拠かもしれません。

大切なのは、本人が快適に眠れているかどうかを判断することだと思います。

高齢者の寝返りを妨げるマットレスの特徴

「どんなマットレスを選べばいいんだろう…」と悩んでいる方もいるかもしれませんね。

高齢者の場合、体の状態が変化しているため、若い頃に使っていたマットレスが合わなくなることがあります。

ここでは、高齢者の寝返りを妨げてしまう可能性のあるマットレスの特徴を解説します。

柔らかすぎるマットレスの問題点

柔らかすぎるマットレスは、体が深く沈み込んでしまい、寝返りが打ちにくくなってしまう可能性があります。

特に、筋力が低下している高齢者の場合、沈み込んだ体勢から抜け出すのが難しく、寝返りを打つのに大きな力が必要になってしまいます。

その結果、寝返りを諦めてしまい、長時間同じ姿勢で寝てしまうことにつながるでしょう。

硬すぎるマットレスが引き起こす問題

「高齢者には硬いマットレスがいい」という話を聞いたことがあるかもしれません。

確かに、柔らかすぎるのは問題ですが、硬すぎるマットレスもまた、体に負担をかけてしまうことがあります。

硬いマットレスは体の凹凸に沿って沈み込んでくれないため、肩やお尻など特定の部位に圧力が集中してしまいます。

この圧力が原因で、血行不良や床ずれのリスクを高めることがあると言われています。

通気性が悪いマットレスの問題点

高齢になると、体温調節機能が低下し、寝汗をかきやすくなることがあります。

通気性の悪いマットレスを使っていると、熱や湿気がこもってしまい、寝苦しさを感じてしまう原因になります。

寝苦しさは、寝返りを増やす原因になるだけでなく、睡眠の質を大きく低下させてしまいます。

また、湿気がこもることでカビやダニが発生しやすくなり、衛生面でも問題が生じる可能性があります。

へたったマットレスは寝返りを妨げる

マットレスには寿命があり、長年使っていると徐々にへたってきます。
特に、体重のかかる腰やお尻の部分がへたってしまうと、寝姿勢が崩れてしまい、寝返りが打ちにくくなることがあるでしょう。

へたったマットレスは、体の負担を増やすだけでなく、快適な睡眠を妨げる原因にもなります。

マットレスのへたり具合を定期的にチェックし、必要であれば買い替えを検討しましょう。

寝具の重さも寝返りを妨げる原因

高齢になると、体を動かすための筋力が低下しているため、重い布団や毛布は寝返りの妨げになってしまう可能性があります。

寝返りを打つたびに重たい寝具を持ち上げるのは、かなりの労力が必要です。

軽くて保温性の高い羽毛布団や、体の動きを妨げない軽い寝具を選ぶことも大切です。

高齢者の快眠をサポートするマットレス選び

高齢者の睡眠の質を高めるためには、体に合ったマットレスを選ぶことがとても重要です。

ここでは、高齢者のマットレス選びで失敗しないためのポイントを5つご紹介します。

適度な硬さと反発力があるか

高齢者のマットレスは、硬すぎず柔らかすぎない「適度な硬さ」が大切です。

柔らかすぎると体が沈み込み、寝返りが打ちにくくなってしまいます。
一方、硬すぎると、体の一部に圧力が集中し、血行不良や不快感につながることがあると言われています。

背骨のS字カーブを自然に保ち、スムーズな寝返りをサポートしてくれるようなマットレスを選びたいですね。

高反発マットレスと低反発マットレスの選び方

高齢者には、高反発マットレスがおすすめだと私は思います。

高反発マットレスは、高い反発力で体を押し上げるように支えるため、体の沈み込みが少なく、寝返りが打ちやすいのが特徴です。

筋力が低下している高齢者でも、少ない力で楽に体を動かすことができるでしょう。

一方、低反発マットレスは、体が深く沈み込むため、寝返りが打ちにくく、高齢者にはあまり向いていないかもしれません。

体圧分散性に優れているか

体圧分散性とは、寝ている間に体にかかる圧力をどれだけ均等に分散できるかの機能です。

体圧分散性に優れたマットレスは、体の凹凸に合わせてしっかりとフィットし、特定の場所に圧力が集中するのを防いでくれます。

圧力が集中しないことで、血行不良や床ずれのリスクを軽減する効果が期待できると言われています。

特に、横向きで寝ることが多い人や、体の痛みがある人には、体圧分散性が高いマットレスを選ぶことが大切です。

通気性と衛生面に優れているか

高齢者は寝汗をかきやすいため、マットレスの通気性と衛生面は非常に重要です。

通気性の悪いマットレスだと、熱や湿気がこもって寝苦しさを感じたり、カビやダニが発生しやすくなったりします。

通気性の良いウレタンフォームやファイバー素材のマットレス、またはカバーを外して洗えるタイプのものを選ぶのがおすすめです。

安全性に配慮した設計か

高齢者のマットレスは、安全性も重要なチェックポイントです。

ベッドの高さが低すぎると、起き上がるときに膝や腰に負担がかかります。
また、高すぎると、ベッドから転落する危険があります。

適切な高さに調整できるベッドや、安全に配慮した設計のマットレスを選ぶことが大切です。

寝返りを打ちやすいサイズか

マットレスは、寝返りを打つスペースが十分に確保できるサイズを選びましょう。

体がマットレスからはみ出したり、狭いと感じたりすると、無意識のうちに寝返りを我慢してしまうことがあります。

体が大きい方は、シングルサイズよりもセミダブルサイズを選ぶことで、ゆったりと寝返りを打つスペースを確保できます。

シニア向けマットレスと介護マットレスの違い

「シニア向け」と「介護用」のマットレス、似ているようで、実は大きな違いがあるんですよ。

それぞれの特徴を理解して、最適なマットレスを選ぶことが大切です。

ここでは、シニア向けマットレスと介護マットレスの違いについて解説します。

シニア向けマットレスの特徴

シニア向けマットレスは、加齢によって筋力や柔軟性が低下した方が、快適に眠ることを目的として作られています。

寝返りが打ちやすいように、適度な反発力があったり、体圧分散性に優れていたりするのが特徴です。

また、通気性が良く、衛生面に配慮されたものが多く、快適な睡眠環境をサポートしてくれます。

シニア向けマットレスは、比較的自立した生活を送っている方向けに作られていることが多いですね。

介護マットレスの特徴

介護マットレスは、自力での寝返りが難しい方や、ベッドの上で過ごす時間が長い方のために作られています。

床ずれ(褥瘡)を予防するための機能が充実しているのが最大の特徴です。

体圧分散性に非常に優れていたり、寝返りをサポートする機能が付いていたりするものもあります。

医療や介護の専門的な観点から設計されているため、価格も高めになる傾向があります。

両者の主な違いと選び分け

シニア向けマットレスと介護マットレスの主な違いは、「自力での寝返りが可能かどうか」です。

自力で寝返りができる方は、シニア向けマットレスがおすすめです。

一方、自力での寝返りが難しい方や、病気や怪我で長期的にベッドで過ごす必要がある方は、介護マットレスを選ぶべきだと思います。

マットレス選びは専門家にも相談を

高齢者のマットレス選びは、非常に大切です。

もし、どのマットレスを選べばいいか迷った場合は、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員など、専門家への相談も検討してみましょう。

体の状態や生活状況に合わせて、適切なアドバイスをもらえるはずです。

レンタルサービスも活用できる

介護マットレスは高価なものが多いため、レンタルサービスを利用するのも一つの手です。

介護保険を利用することで、自己負担額を抑えられる場合もあります。

レンタルであれば、もし体に合わなかった場合でも、気軽に交換できるというメリットがあります。

布団とマットレス、どちらが睡眠に良い?

「高齢の親には、硬い布団がいいって聞くけど…」「ずっと布団で寝てきたから、マットレスは合わないんじゃないか?」そういった疑問をお持ちの方もいるかもしれませんね。

布団とマットレス、どちらにもメリット・デメリットがあり、一概にどちらが優れているとは言えません。

大切なのは、高齢者の方の体の状態や好みに合ったものを選ぶことです。

布団のメリットと向いている人

布団の最大のメリットは、硬めの寝心地に慣れている方が多いという点だと思います。

昔から畳の上で布団を敷いて寝てきた方にとっては、柔らかすぎるマットレスよりも安心感があるかもしれません。

また、収納がしやすく、部屋を広く使えるのも嬉しいポイントです。

布団が向いている人

  • 硬い寝具に慣れている方
  • 毎日部屋を広く使いたい方
  • 比較的自力での起き上がりが楽な方

マットレスのメリットと向いている人

マットレスの最大のメリットは、体圧分散性に優れている点です。

体の凹凸に合わせてしっかりと支えてくれるため、腰や肩など特定の部位に負担がかかりにくく、血行不良や床ずれ(褥瘡)のリスクを軽減する効果が期待できます。

また、ベッドフレームと組み合わせることで、立ち上がりや寝起きが楽になるというメリットもあります。

マットレスが向いている人

  • 腰痛や体の痛みに悩んでいる方
  • 自力での起き上がりが難しい、または不安がある方
  • 寝心地の良さや体の負担軽減を重視する方

高齢者の睡眠環境の選択肢

布団とマットレス、どちらか一方を選ぶだけでなく、併用するという方法も選択肢の一つです。

例えば、硬いマットレスが体に合わないと感じる場合は、体圧分散性に優れた薄手のマットレスパッドを上に敷くことで、寝心地を改善できます。

また、布団で寝ている方がマットレスに抵抗がある場合は、まず薄手のマットレスから試してみるのも良いでしょう。

それぞれのメリットを活かして、自分に合った最適な睡眠環境を見つけてみてください。

よくある質問

ここでは、高齢者の寝返りやマットレスに関する、よくある質問にお答えします。

高齢者の寝返りの回数が減るのは、何か問題がありますか?

加齢によって寝返りの回数が減るのは、ある程度は自然なことだと言われています。

しかし、極端に寝返りが少ないと、体の特定の場所に負担がかかり、血行不良や床ずれのリスクを高める可能性があります。

もし、寝返りが少ないことで体の痛みや不調がある場合は、寝具や環境を見直すことが大切です。

寝返りに関する一般的な内容については、寝返りが少ないと熟睡できない?マットレス選びのポイント の記事も参考にしてみてください。

硬いマットレスは、高齢者の腰痛に良いと聞きましたが本当ですか?

「硬いマットレスは腰に良い」という話をよく耳にしますが、硬すぎるマットレスは体の凹凸にフィットせず、特定の部位に圧力が集中してしまうことがあります。

これにより、血行不良や痛みにつながる可能性も考えられます。大切なのは、硬すぎず柔らかすぎない、体に合ったマットレスを選ぶことです。

硬いマットレスが引き起こす問題については、マットレスが硬すぎると寝返りが減る?対策と改善策 の記事で詳しく解説しています。

寝ている間に何度も起きてしまうのは、寝返りが原因でしょうか?

寝返りが多すぎたり少なすぎたりすることで、睡眠が浅くなり、夜中に目が覚めてしまう可能性があります。

例えば、マットレスが体に合っておらず、体が不快感を避けるために頻繁に寝返りを打つことで、眠りが中断されてしまうことも考えられます。

寝返りが過剰になっていると感じる場合は、寝返りのしすぎで目が覚める?マットレスの見直し方 の記事で、その原因と対策についてご紹介していますので、ぜひご覧ください。

高齢者のマットレスは、子どもが使っていたものと同じでも良いですか?

子どもと高齢者では、体の状態や必要なサポートが異なります。

成長期の子どもは骨格の成長を促すためのサポートが、高齢者は筋力の衰えを補い、体の負担を軽減するためのサポートが必要です。

そのため、同じマットレスを使うのはあまりおすすめできません。

子どものマットレス選びについては、子どもの寝返りと睡眠の質|マットレスはどう選ぶ? の記事で詳しく解説しています。

まとめ:マットレスの工夫で快適な睡眠を

高齢者の睡眠の質は、マットレスひとつで大きく変わる可能性があります。

寝返りが減る原因は、加齢による筋力低下や体の痛みなど、さまざまです。

寝返り不足は、血行不良や床ずれのリスクを高めるだけでなく、睡眠の質を低下させてしまうことがあります。

自分に合ったマットレスを選ぶことで、これらの問題を改善できるかもしれません。

硬すぎず柔らかすぎない、適度な反発力と体圧分散性に優れたマットレスを選びましょう。

マットレス選びは、本人の体の状態や好みを尊重することが大切です。
家族で話し合ったり、専門家に相談したりして、最適なマットレスを見つけてあげてください。

快適な睡眠は、日々の健康につながります。
マットレスの工夫で、大切な家族の睡眠をサポートしてあげましょう。