「ぐっすり眠ったはずなのに、なぜか体がだるい…」。もし心当たりがあるなら、それは寝ている間の「寝返りのしすぎ」が原因かもしれません。
寝返りは、快適な睡眠には欠かせない大切な体の動きですが、多すぎるとかえって眠りを浅くしてしまい、疲労回復を妨げてしまうことも…。
この記事では、寝返りが多すぎる原因や、それが睡眠に与える悪影響について解説します。
また、寝返り過多を改善するためのマットレス選びのポイントや、その他の対策についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
寝返りのしすぎは睡眠の質を低下させる
「寝ている間に何度も目が覚めてしまう…」「朝起きたら、なぜか体がだるい…」。
もし心当たりがあるなら、それは「寝返りのしすぎ」が原因かもしれません。
寝返りは、快適な睡眠には欠かせない大切な体の動きですが、多すぎるとかえって睡眠の質を下げてしまうことがあると言われています。
健康な大人は一晩に20〜30回ほど寝返りを打つのが理想だと言われていますが、これ以上増えると、眠りが浅くなり、熟睡できなくなってしまう可能性があるんですね。
ここでは、寝返りが多すぎると何が問題なのか、そしてその原因と対策について、詳しく見ていきましょう。
なぜ寝返りが多すぎるのか?
寝返りが多すぎる原因は、体が寝ている間に不快感を感じているからだと私は思います。
例えば、マットレスが体に合っていなかったり、寝室の温度や湿度が適切でなかったりすると、体は無意識のうちにその不快感を解消しようとして、頻繁に寝返りを打ってしまうんです。
また、日中の心身のストレスや不規則な生活習慣も、寝返りを増やす大きな原因になります。
強いストレスを抱えていると、睡眠中も体が緊張したままになり、落ち着いて眠れない状態になってしまうことがあるでしょう。
寝返り過多は、体が「SOS」を出しているサインかも!?
その根本原因を突き止めることが、睡眠改善の第一歩になります。
睡眠中の動きが多いとどうなる?
睡眠中の動きが多すぎると、まず眠りが浅くなると思います。
寝返りを打つたびに眠りが中断されたり、浅い眠り(レム睡眠)の時間が長くなったりして、心身の疲労回復に欠かせない深い眠り(ノンレム睡眠)が十分に取れなくなってしまうと言われています。
深い眠りが不足すると、朝起きても疲れが取れていなかったり、日中に眠気を感じやすくなったりしますよね。
さらに、寝ている間に体が十分に休まらないため、慢性的な疲労感につながることもあります。
熟睡できない状態が続くと、日中の集中力や判断力にも悪影響を及ぼしかねません。
寝返り過多とマットレス疲労の関係
「マットレス疲労」という言葉、もしかしたら初めて聞いた人もいるかもしれませんね。
これは、マットレスが古くなって本来の機能が失われ、体に合わなくなってしまう状態を指します。
へたってしまったマットレスは、体の重い部分が深く沈み込んでしまい、背骨が不自然な形になってしまいます。
すると、体は「このままではいけない」と判断し、無理にでも寝返りを打とうとするため、寝返りの回数が増えてしまうんです。
これは、マットレスの寿命が近づいてきているサインかもしれません。
もし、マットレスの表面に体の跡がくっきりと残っていたり、以前より寝心地が悪くなったと感じているなら、マットレス疲労が原因で寝返り過多になっている可能性が高いでしょう。
寝返り過多が引き起こす体の不調
寝返りが多すぎる状態が続くと、さまざまな体の不調につながる可能性も。
一番多く耳にするのが、寝起きの腰や肩の痛みです。
頻繁に寝返りを打つことで、睡眠中に何度も体を動かすことになり、筋肉や関節に負担がかかってしまうことも。
また、不自然な寝姿勢が続くことで血行が悪くなり、体のしびれや冷えを感じやすくなることもあります。
さらに、熟睡できない状態が続くため、日中の集中力が低下したり、イライラしやすくなったりするなど、精神的な不調にもつながることがあるでしょう。
理想的な寝返りの回数と質とは
寝返りは、多すぎても少なすぎても良くないことが分かりました。
では、理想的な寝返りとはどんなものでしょうか?
大切なのは、回数よりも「質」です。
質の良い寝返りとは、少ない力でスムーズに打てる、自然な動きのことだと思います。
体が無理なく、楽に体を動かせる状態が理想的です。
もし、寝返りを打つたびに体がきしんだり、引っかかるような感じがしたりする場合は、マットレスが体に合っていないサインかもしれません。
朝起きたときに体が軽く、熟睡感があるかどうかが、良い寝返りができているかどうかのひとつの目安になりますね。
寝返り過多を引き起こすマットレスの特徴
「もしかして、私の寝返りが多すぎるのはマットレスのせいかも?」そう感じた人もいるのではないでしょうか?
寝返り過多の原因は、寝具、特にマットレスにあることが多いんです。
ここでは、どんなマットレスが寝返りを増やしてしまうのか、その特徴を詳しく見ていきましょう。
柔らかすぎるマットレスの弊害
柔らかすぎるマットレスは、体が深く沈み込みすぎてしまい、まるで沼にハマったような状態になります。
特にお尻や腰など重い部分が深く沈み込んでしまうと、身動きが取りにくくなり、スムーズに寝返りが打てなくなってしまいます。
すると、体は無理にでも動こうとするため、寝返りの回数が増えたり、無理な体勢で寝てしまったりすることがあるんです。
また、体が沈み込むことで、マットレスと体の接触面が増え、通気性が悪くなり、熱や湿気がこもって寝苦しさを感じる原因にもなります。
この不快感を解消しようとして、寝返りが増えてしまうことも多いでしょう。
硬すぎるマットレスが引き起こす問題
「硬いマットレスのほうが体にいい」と聞いたことがある人もいるかもしれませんが、硬すぎるマットレスも寝返り過多の原因になることがあります。
硬いマットレスは体の凹凸に沿って沈み込んでくれないため、肩やお尻など特定の部位に圧力が集中してしまいます。
すると、体は圧力がかかっている部分を避けようと、無意識のうちに頻繁に寝返りを打ってしまうんです。
これは、質の良い寝返りとは言えません。
不必要な寝返りによって眠りが中断されたり、浅くなったりすることで、睡眠の質はかえって低下してしまいます。
へたったマットレスが寝返りを増やす
マットレスには寿命があり、長年使っていると徐々にへたってしまいます。
特に、体重がかかる腰や肩の部分がへたってしまうと、寝姿勢が崩れ、体圧分散性が失われます。
へたったマットレスに寝ると、腰が深く沈み込んでしまい、背骨が不自然な形になってしまいます。
すると、体は不快感を解消しようとして、寝返りの回数を増やしてしまうんです。
もし、マットレスの表面に体の跡がくっきりと残っていたり、以前より寝心地が悪くなったと感じているなら、買い替えのサインかもしれません。
通気性の悪いマットレスの問題
寝ている間、人はコップ一杯分の汗をかくと言われています。
マットレスの通気性が悪いと、その熱や湿気がこもってしまい、寝苦しさを感じてしまうでしょう。
この寝苦しさを解消しようと、体は無意識に何度も寝返りを打ってしまいます。
特に、夏場は通気性の悪いマットレスを使っていると、寝汗で体がベタベタしてしまい、さらに寝返りが増える原因になることもあります。
通気性の良いマットレスを選ぶことは、寝返り過多の対策にもつながるんですね。
寝具の相性が悪いと寝返りが増える
寝返り過多の原因は、マットレスだけでなく、枕や布団との相性にあることもあります。
例えば、マットレスは硬めなのに、枕が高すぎたり硬すぎたりすると、頭や首に負担がかかってしまい、寝返りがスムーズに打てなくなります。
すると、体は寝心地の悪い部分を避けようと、頻繁に体を動かしてしまうんです。
マットレスと枕、布団はセットで考えることが大切です。
それぞれの寝具の硬さや高さを調整して、バランスの取れた組み合わせにすることで、寝返り過多が改善されるかもしれません。
寝返り過多を改善するマットレスの選び方
寝返りが多すぎる原因がマットレスにあると分かったら、次は自分に合ったマットレスを選ぶことが大切です。
マットレス選びのポイントを押さえることで、寝返りの質を高め、質の高い睡眠を手に入れることができます。
適度な硬さと反発力があるか
寝返りをスムーズに打つためには、マットレスの「硬さ」と「反発力」がとても重要です。
柔らかすぎると体が沈み込みすぎてしまい、寝返りを打つのに余分な力が必要になります。
逆に硬すぎると、体が反発してしまい、特定の場所に圧力が集中してしまいます。
理想的なのは、体をしっかりと支えつつ、寝返りを打つときに体を押し返してくれるような、適度な反発力があるマットレスです。
高反発マットレスと低反発マットレスの選び方
高反発マットレスは、高い反発力で体を押し上げるように支えるため、体の沈み込みが少なく、寝返りがしやすいのが特徴です。
寝返り過多で悩んでいる人には、高反発マットレスが向いているかもしれません。
一方、低反発マットレスは、体の形状に合わせてゆっくりと沈み込むため、体を優しく包み込むような寝心地です。
体圧分散性に優れていますが、寝返りが打ちにくく感じる人もいるため、寝返り過多の対策としては慎重に選ぶ必要があります。
体圧分散性に優れているか
体圧分散性とは、寝ている間に体にかかる圧力をどれだけ均等に分散できるかの機能です。
体圧分散性に優れたマットレスは、体の凹凸に合わせてしっかりとフィットし、特定の場所に圧力が集中するのを防いでくれます。
圧力が集中しないことで、体が不快感を感じることがなくなり、不必要な寝返りを減らすことができます。
特に、横向きで寝ることが多い人は、肩や腰に圧力がかかりやすいため、体圧分散性が高いマットレスを選ぶことが大切です。
通気性が良く、熱がこもらないか
寝ている間の不快な蒸れは、寝返りを増やす大きな原因になります。
通気性の良いマットレスは、マットレス内部に熱や湿気がこもりにくいため、快適な睡眠環境を保ってくれます。
特に、汗をかきやすい人や、暑がりの人には、通気性の良いマットレスがおすすめです。
また、通気性が良いとカビやダニの発生も抑えられるため、衛生的に保ちやすいというメリットもあります。
体にフィットするサイズを選んでいるか
マットレスは、寝返りを打つスペースが十分に確保できるサイズを選ぶことが重要です。
寝返りを打つ際に、ベッドから体が落ちそうになったり、手足がはみ出してしまったりすると、無意識のうちに寝返りを我慢してしまい、不自然な寝姿勢になってしまうことがあります。
一人で寝る場合でも、ゆったりと寝返りを打つスペースを確保できる、セミダブルサイズを選ぶのがおすすめです。
マットレスの寿命をチェックする
今使っているマットレスが原因で寝返りが増えている可能性があるなら、マットレスの寿命をチェックしてみましょう。
マットレスのへたり具合を確認してみてください。
特に、腰やお尻の部分がへたっている場合、マットレスの機能が失われているサインです。
また、スプリングタイプのマットレスの場合、寝返りを打つたびにギシギシと異音がする場合も、買い替えのサインかもしれません。
マットレス以外の寝返り過多の改善策
寝返り過多の原因は、必ずしもマットレスだけにあるとは限りません。
マットレスを見直すことも大切ですが、それ以外の寝具や寝室の環境、そして日々の習慣を見直すことで、寝返り過多が改善されることもあります。
枕の高さと硬さを見直す
マットレスとの相性が悪い枕を使っていると、寝返りを妨げたり、首や肩に負担をかけたりすることがあります。
枕が高すぎると首が不自然に曲がってしまい、寝返りがしにくくなります。
逆に低すぎると頭が沈み込みすぎてしまい、呼吸がしにくくなることもあります。
マットレスの硬さや反発力に合わせて、適切な高さと硬さの枕を選ぶことが大切です。
寝具の組み合わせを工夫する
マットレスの上に敷く敷きパッドや、布団の素材を見直すことも効果的です。
例えば、通気性の悪いマットレスを使っている場合、吸湿性や通気性の良い敷きパッドを使うことで、寝苦しさを軽減できるかもしれません。
また、冬場は羽毛布団、夏場はタオルケットなど、季節に合わせて寝具を使い分けることで、寝室の温度や湿度を快適に保つことができます。
寝室の環境を整える
寝室の環境も、睡眠の質を左右する重要な要素です。
寝室の温度は夏場で25〜28℃、冬場で18〜20℃、湿度は50〜60%が理想的と言われています。
また、寝室はできるだけ暗くし、静かな環境を整えることも大切です。
遮光カーテンを使ったり、耳栓をしたりして、光や音の影響を受けにくくする工夫をしてみましょう。
寝る前の習慣を変えてみる
寝る前の過ごし方も、睡眠の質に大きく影響します。
寝る直前までスマートフォンを見たり、熱いお風呂に入ったりすると、体が興奮してしまい、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりすることがあります。
寝る1時間前からは、スマートフォンやパソコンの使用を控え、読書をしたり、ストレッチをしたりして、心身をリラックスさせる時間を作りましょう。
専門家への相談も検討する
もし、上記の対策を試しても寝返り過多が改善されない場合や、睡眠の悩みが深刻な場合は、睡眠専門医などの専門家への相談も検討してみましょう。
睡眠時無呼吸症候群など、病気が原因で寝返りが増えている可能性もあります。
専門家のアドバイスを受けることで、自分では気づけなかった原因が見つかり、適切な改善策が見つかるかもしれません。
よくある質問
ここでは、寝返り過多とマットレスに関する、よくある質問にお答えします。
寝返りが多すぎるのは、マットレスが柔らかすぎるせいですか?
必ずしもそれだけが原因とは限りません。
柔らかすぎるマットレスは体が深く沈み込むため、寝返りが打ちにくくなり、それを解消しようと体が無理に動くことで寝返り過多になることがあります。
しかし、硬すぎるマットレスも体の特定部位に圧力がかかり、それを避けようと寝返りが増える場合があります。
マットレスの硬さについては、【関連記事】 マットレスが硬すぎると寝返りが減る?対策と改善策 で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
頻繁に目が覚めるのは、寝返りが原因でしょうか?
寝返りが多すぎることで、眠りが浅くなり、目が覚めてしまう可能性はあります。
体が不快感を感じて頻繁に寝返りを打つことで、深い睡眠が妨げられているのかもしれません。
寝返りが少ない場合でも、睡眠の質が低下することがあります。
寝返りの質と睡眠の関係については、【関連記事】 寝返りが少ないと熟睡できない?マットレス選びのポイント の記事で詳しく解説しています。
子どもや高齢者でも、寝返りが多すぎることはありますか?
子どもも高齢者も、不適切な寝具や睡眠環境によって寝返りが過剰になることがあります。
特に、成長期の子どもにとって適切な寝返りは体の発達に重要ですし、高齢者は加齢とともに寝具への配慮が必要になります。
それぞれの年齢層に合わせたマットレス選びについては、【関連記事】 子どもの寝返りと睡眠の質|マットレスはどう選ぶ? および 高齢者の寝返り不足と睡眠の質|マットレスの工夫 で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
まとめ:寝返りの質を高めてぐっすり眠るために
寝返りは、多ければ良いというわけではありません。
この記事では、寝返りのしすぎが睡眠の質を低下させる原因や、寝返り過多を引き起こすマットレスの特徴、そして改善策について解説しました。
マットレスが柔らかすぎたり硬すぎたり、あるいはへたってしまったりすることで、不必要な寝返りや寝姿勢の悪化につながることがあります。
自分に合ったマットレスを選ぶことで、寝返りの質を高め、ぐっすり眠れるようになるでしょう。
マットレスだけでなく、枕や寝具の組み合わせ、そして日々の生活習慣を見直すことも大切です。
もし、寝返りが多すぎて悩んでいるなら、この記事を参考に、快眠のための工夫を始めてみてください。